コラム

味わいのある家・家具

「長居してすみません」

友人、知人が自宅に遊びにこられてついつい長話で花が咲きあっという間に2~3時間が経ってしまうことがあります。

帰り際の挨拶で「長居してすみません」「ごめんなさい話しに夢中になって」「居心地がいいからついつい、、、」などと言っていただけると嬉しいですよね。

話がはずむ時間には幸せを感じずにはいられません。自宅の手作り空間がお客様との距離を縮めていることと思います。

ましてやご自分がデザインに関わったり、うんちくがたくさんあるお気に入りのキッチンや家具を褒められたら、とことん自分の知っていることを話したくなってしまいます。

「新築より年季の家」

新築の場合にはお客様をお招きして家を披露することがあっても、時が経つにつれてお客様を迎えることが億劫になってきたりしませんか。
残念ながら新築の時がベストの状態で年月とともに鮮度が落ちてきているのが日本住居の現実です。

本来、新築は未完の状態で少しずつあれこれと手を加えていってその家の味わいが出てくるものであり、何もしなければあっという間に陳腐化が進んでいくものだと思います。
住み続けていく限り完成型はないのではないでしょうか。
新しい家に入居して何とか1~2年は、あまりメンテナンスをしなくても鮮度はかろうじて保たれていますので、お客様もお迎えしやすいと思います。
しかし住み続けていて何もメンテナンスをしないとあっという間に劣化をしてしまい、お客様をお招きするのも二の足を踏んでしまいます。

それでは何故メンテナンスをしないのでしょうか。

よく言われることは、戸建て木造住宅は税法上、築20~25年程度で価値が無くなると評価されます。
税法上の評価が住宅業界の評価として浸透しているので、年月経った家は手入れをしなくなる、と言われています。
比較されるアメリカでは実質的な家の品質評価を、内装や設備なども含めて劣化状態や修繕状況等を判断し、家の経済的価値を決めています。
だからアメリカは日常的にメンテナンスをしている、と言うのは断片的すぎるのではないでしょうか。
アメリカでは家で家族が寛ぐ、友人知人と頻繁にホームパーティーを開くなど、家はとっても開放感溢れる場所なのでしょう。
そもそも経済的価値だけで日本の家の手入れが疎かになるようでは、豊かな生活とは程遠い話しになってしまいます。

それではマイデザインのお客様で、古きを大切にされ今に生きる3件の実例をお話しさせていただきます。

「年季の家」

お客様にチェアの張替えを依頼されて、何度かお宅にお伺いをしました。

お客様宅は築40年過ぎているので、日本では資産評価価値は0円です。
だからといってまったくもって手を抜くことはなく、いつもメンテナンスをされています。
そのメンテナンスは家本体だけではなく、家以上に家具インテリアに興味を持ち日頃から新しいアイディアを表現されています。
もし私が住み替えることができるならば、このようなお客様宅の住宅に、と思ってしまいました。
その場合の中古住宅価格は、新築に劣らないのではないかと思いますし、正当な評価ができるようになれば、それこそ100年住宅が多く存在するようになり、日本の「もったいない」が生かされ環境問題にも貢献できると思います。

「古民家の再生」

1923年に発生した最大震度6の関東大震災は約10万人の方々が亡くなられ、住宅は甚大な被害に遭いました。
そのような中で生き延びたご自宅の古民家が再生されました。
太い構造体の柱は樹木としてそびえ立って生きていた証であり、住宅となってからの暮らしの歴史を十二分に感じさせ、語りかけてきます。
3年の年月をかけてベーカリーカフェとして 2020年にオープンしました。
製作事例「歴史とモダンが融合したベーカリーカフェ」をご覧ください。
大変幸運に恵まれてマイデザインが古民家カフェベーカリーの家具を、企画・デザイン・製作を担うことができました。
古民家カフェベーカリーのオリジナルデザインを製作したマイデザインとしては、メンテナンスをしっかりとし続けていき、古民家と一緒になって歴史をつくれていければと思っています。

「木造住宅をリノベーション」

都心の古くなった木造住宅を、旅館に改装したお客様です。
東京都台東区東上野に位置する小松旅館は、100m2以下の一般住宅をリノベーションし、客室5室という日本で一番小さい旅館です。
マイデザインが企画、デザイン、コーディネィトをしていますのでぜひ製作事例「小松旅館リノベーション」をご覧ください。
外国人の方々に大変人気のある旅館となって喜ばれています。

年季が入れば入るほど家や家具は、味わいがあり、深みが増していくものです。
それにはいつまでも愛情を込めてお手入れをし続けることが必須です。
家も家具も買った値段が高くて見た目の品質が良いからと長持ちしたとしても、思い入れが入っていかないとおのずと空間が陳腐化していきます。
手ごろな価格で購入し上質素材を使用していなくても、手を抜かずに面倒をみてやるといきいきとした表情になっていきます。

近い将来、中古住宅の正当な質への評価は、日常の暮らしを続けていく中で決定されいくものと思います。
また同居する家具に愛情を込めてお手入れをしていくことが、中古住宅の付加価値をさらに高めていくことになって欲しいと思います。

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